YuikoIkebata-COKAの日常

-COKA Animal Rescue- Yuiko

元NY在住ファッションスタイリストが、日本へ帰って動物保護活動を始めるお話。私たちに出来る事をゆるーく書いていきます。

私について

初めまして。

 

NYにてファッションスタイリストを6年経験し、今現在日本にて動物看護師を目指しているYuikoです。

 

初めましての今回は、6年前にNYへ移住以来私が行なっていたファッションスタイリストという仕事と、その仕事をしていた私がなぜ環境問題や動物愛護活動というものについて興味を持ち、今日へ至ったのか、についてお話ししたいと思います。

 

「ファッションスタイリスト」

 

という肩書きに、多くの方がとても華やかなイメージを持っていると思います。

 

 おしゃれな服を選んで、モデルに着せて可愛く撮影。色々な業界人と交流があり、撮影で使った服などが貰えて、好きな服が着られてお金も稼げる。私の第一印象はこれでした。

 

 実際はデスクワークと肉体労働が入り混じったような事をこなすのが "ファッションスタイリスト"の仕事。

 

 

 例として、簡単に1件の仕事が入って来た時の仕事の流れを説明して見ます。

 

ファッションスタイリストには、まず始めにエディターやクライアント、セレブや芸能人からどう言った仕事(作品)を作りたいか、どの様なテーマ、雰囲気にて撮影をするかというイメージが送られてきます。一見簡単で、それに沿って自分の想像+クライアントの意見を交えて服を"準備"するだけです。

 

ただ、この"準備"という作業にはとてつもなく長いプロセスがあります。

 

まず、Googleサーフィンからインスタサーフィン、日々の流し読みしている雑誌、ファッション関係の方のフィードや記事など見て、どんなブランドがどういったアイテムを持っていて、撮影に適しているかということを探していきます。

 

次に1つ1つのブランドのwebsiteやツテを駆使し1会社ずつ連絡先を探し、メール作成をしてレンタルのお願いをします。

 

たった数枚の写真や、数着のストリートスタイルを作るだけでも、1つ2つの洋服だけではなく、幅2メートル程の洋服ラック5-10つ分の服を最低でも準備します。つまり送るメールの総数は何百社。

多い人で1週間にクライアントが2社いたり、3社居たりすることも珍しいことではありません。

 

何百社とのメールのやり取りに加え、レンタルした服の確認、仕分け、運搬、

そしてもちろん醍醐味である撮影現場でのスタイリングを決める作業、撮影後の各社への返却まで全てを行うのが大まかに言うファッションスタイリストの仕事です。

 

こんなにも毎日洋服に埋もれている私が、何故急に環境問題を気にするようになったのか。

 

ここからが今回一番私がこのブログで伝えたいことです。

 

ファッションスタイリストというのは(少なからずアメリカのスタイリストは)、オフィスに保存してある服や今までの撮影で頂く結果となった洋服、雑貨、アクセサリーを大量に持っています。(壁一面を埋め尽くす量の靴など) 

  • 例えばセレブリティのスタイリストをしていれば、そのセレブに着させて欲しいと送られてくる数々のレザーバッグ。

  • 撮影で汚れてしまった等の理由から仕方がなく購入する事になったデニム。
  • ブランドからスタイリストへ直接ギフトとして送られるレザージャケット、ファージャケット。レザーのシューズやパンプス。

そんな物がたくさん溢れ返っている所というのは、ファッションが好きな人からすればもう天国の様な場所で、私は初めの頃は、"うらやましい、こうなりたい!全部欲しい!"というのが素直な感想でした。

 

ただ、よくよく考えてみると、みんなが欲しがっている高価なもの、私たちファッションスタイリストが推奨して撮影で頻繁に使用する高価なアイテム達は、ほぼ、動物から頂いたものです。

 

加えると、日々の中でファッションスタイリストだけでなく洋服に携わるお仕事をされている方なら目にする、プラスチックの洋服カバーの多さ。プラスチックカバーもリサイクルされるというよりは少し汚れてしまうと基本的にゴミ箱行きです。

さらに加えて、何百人単位の人間が動く大きな撮影現場で使用されるプラスチック食器、それが全て直後にゴミ箱へとそのまま捨てられてしまうという流れ。

 

私の転機はまさに、この現状を他人事ではなく”自分も関わっている現実”として受け取った時でした。

 

かつて私も夢の様だと思ったオフィスに埋もれているものは、

私たちの欲によって使い捨てられた、悲しい残骸達だったのです。


This is The Real Cost of a Canada Goose Jacket 

 

ここに書いたもの全て、どう生産されてどう処分されていくのかという一連の流れをリアルに想像した時に、私の好きな仕事は本当にこのままで良いのかと言う疑問が湧いてきたのです。

メディアの一部として影響を与える仕事であるはずのファッションスタイリストが、動物から頂いたものを粗末にしてしまうことを“当たり前”とすべきではないし、地球環境によくないプラスチックをこんなにも沢山消費すし、環境汚染を助長すべきではない。

 

服の仕事をして、物がたくさん溢れかえっているという状況を目にし、これらが本当に必要不可欠なこと/ものなのかどうかしっかりと考えて見たい。自分の持ってるものや欲しいもの、簡単に生産されるものを少なからず減らすことによって、彼らの命や地球環境は救われるんじゃないかなと思ったのが、NYでファッションスタイリストとして活動した私なりの答えでした。

 

 

今後は、生活スタイルを少しでも変えること、ファッションの裏側と環境問題の裏側を如何に紐づける事が出来るのか、いかに環境に優しくファッションをもっと楽しむかという提案を皆さんにしていければと思っています。

 

今回は、このような環境保護動物保護の活動をファッションメゾンブランドとしていち早く取り入れたStella McCartneyについての記事を簡潔にまとめてあるFashionsnapさんの記事を紹介します。

 https://www.fashionsnap.com/article/2016-10-10/stella-epl2015/